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Artists > タ > 多田 圭佑
TADA Keisuke
1986年 愛知県名古屋市生まれ
2010年 愛知県立芸術大学美術学部油画専攻 卒業
2012年 愛知県立芸術大学美術研究科博士前期課程 修了
愛知県にて活動中
現在も愛知県を拠点に活動するアーティスト・多田圭佑は、2010年に愛知県立芸術大学美術学部油画専攻を卒業後、2012年には同大学大学院にて修士号を取得。ゲームをはじめ、バーチャル世界が提供する知覚体験に関心を寄せる多田は、作品を通して現実と虚構の曖昧な境界線を表現。木材や鎖、タイルなどを用いたアッサンブラージュのような「trace / dimension」シリーズ、 精巧に再現したアンティーク調の門扉を斧で破壊する「Heaven’s Door」シリーズ——そのすべては絵の具で作られた造形物である。「残欠の絵画」シリーズでは、ヨーロッパの古典絵画になぞらえた作品の表面をエイジングすることで捏造の時間を創り上げている。“在ることと無いことのせめぎ合い”をテーマに立体的要素を含む多田の作品は、これまでにない新しい絵画を追求している。
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私は見た目の違う様々な作品のシリーズを制作している。 各シリーズは、自分とバーチャルな空間 ( ゲームとか、映画とか、本とか…) が関係する際に、時間、重力、物質にまつわる新たな知覚を感じ、 それを探る中でアイディアを膨らませていく。 今のところ絵画を中心に作品を制作している。 ものなのか、図像なのか、どっちつかずなところが、自分の考えかたに近い気がしている。 今回は各作品シリーズについて記載しておく。
残欠の絵画
バーチャル空間で旅をして、その先々で見つけた風景を描いている。 バーチャル空間内では無限の時間が繰り返されるが、それをプレイする私たちの時間は真っ直ぐと死に向かって進んでいく。 この無限、有限の時間が同時に存在する感覚。いつか展覧会でみた、ボロボロに経年劣化した絵画のことを思い出した。 永遠のものとして固定された絵画の空間が、私たちの終わりに向かう世界に引きずりだされたように感じ、その関係を表現したいと思い制作した。
trace/dimension
3DCG で作られたリアリスティックなバーチャル空間とオブジェクトを体験したとき、まるで実在するかのような強烈な存在感を感じることがある。 実世界とは違う組成で作られたものであることは言うまでもない。そしてこの世界は地球の重力や時間の影響を受けないのだ。 そこでは、存在することそのものが浮遊しているかのように感じられる。 この存在していると言うべきか、していないと言うべきか、その不確かなあり方を表現したいと思い制作し始めた作品だ。 この作品は全て絵の具を素材としながらも、そうはみえないように制作している。 汚れた木の床やタイルの壁、キャビネット、垂れ下がるチェーン、全てが絵の具によって作られた造形物ということだ。 これら水平、垂直、奥行きを一枚の平面上に集約することで、存在と非存在のあわいを作り出す試みである。
Heaven's Door
絵の具を素材にリアリスティックな門扉を制作した後、それを佁で攻撃する。 攻撃することで内部の色があらわになり、その破壊の痕跡を描画行為とした絵画作品だ。 この作品は 17 世紀フランスで実際に使用されていた門扉をモチーフにしている。 今までの人生で見たことも触れたこともなかったはずのこの門扉に、なぜか強く既視感をおぼえた。 ゲームや映画の中で幾度となく潜った門扉にそっくりだったからだ。 個人の経験によって、ある場所ではよく見られるものが創作物と紐づき混ざり合い、歪んでいくような体験に強く影響を受けた。 バーチャルな空間を体験する時、それに魅入られながらも、ゴーグルを取ったとき、モニターを消したとき、 絶対に触れ合うことはできないと気付かされる。 どこか別の場所に行きたいという欲望と暴力、辿り着けないことを理解している自身。この関係を表現したいと思い制作した作品である。
主な個展・二人展
2024年
NADA Miami, with Matthew Brandt, Gallery Common(マイアミ)
「Charlie Alston & Keisuke Tada」Winter Street Gallery(パリ)
2023 年
「Phantom Emotion」MAKI Gallery [表参道](東京)
「Rhizomed Material」Gallery COMMON(東京)
2022年
「Traffic」MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY(東京)
2020年
「Beautiful Dream」MAHO KUBOTA GALLERY(東京)
「CHANGELING」rin art association(群馬)
2018年
「BORDER」CAPSULE(東京)
「エデンの東」MAHO KUBOTA GALLERY(東京)
2017年
「forge」MAHO KUBOTA GALLERY(東京)
2015年
「EXISTENCE」JIKKA 実家(東京)
2014年
「THE TRACE」愛知県立芸術大学サテライトギャラリー(愛知)
「カヤバコーヒー 壁プロジェクト」カヤバコーヒー(東京)
2008年
「independence by mind」カフェパルル(愛知)
2007年
「多田圭佑 個展」名古屋造形大学(愛知)
主なグループ展
2024年
Tokyo Gendai, MAKI Gallery(東京)
Taipei Dangdai, MAKI Gallery(台北)
Art Fair Tokyo, MAKI Gallery(東京)
ART SG, MAKI Gallery(シンガポール)
2023年
Asia NOW, MAKI Gallery(パリ)
Taipei Dangdai, MAKI Gallery(台北)
「IMAGRATION @ EACH MODERN」curated by Gallery COMMON & Each Modern(台北)
2022年
「UNDER CURRENT」Powerlong Museum(上海)
「VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)
「わたしの穴 美術の穴|地底人とミラーレス・ミラー」gallery αM(東京)
2021年
「現代美術のポジション 2021-2022」名古屋市美術館(愛知)
2016年
「AKZIDENZ」青山|目黒(東京)
2015年
「Lagrangian point -パースペクティブカスタマイズ-」Gallery PARC(京都)
2014年
「Some Like It Witty」Gallery EXIT(香港)
2013年
「relational map」STANDING PINE(愛知)
「Tokyo Frontline - トリックディメンション」TOLOT / heuristic SHINONOME(東京)
「CIRCLE3」ターナーギャラリー(東京)
2011年
「トーキョーワンダーウォール公募2011入選作品展」東京都現代美術館(東京)
「DREAMING THE WORLD」MEGI HOUSE(香川)
2010年
「物語の伏線 part2」GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
「CIRCLE2」愛知県立芸術大学サテライトギャラリー(愛知)
「都市の断片」アーバンリサーチギャラリー(愛知)
2009年
「CIRCLE」愛知県立芸術大学旧教員官舎(愛知)
2008年
「SEPTEMBER」市民ギャラリー矢田(愛知)
「ART×ART」愛知県美術館(愛知)
コレクション
前澤友作コレクション
ZOZO コレクション
川崎祐一コレクション
アラリオミュージアムコレクション
ピゴッチコレクション
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